従業員側の労働問題

残業代請求

残業代きちんと支払われていますか?
3年(2020年4月1日以前に発生した残業代については2年)前まで遡り、残業代を請求できます。

“長時間労働” “残業代がでない” “サービス残業” になっているなど。
残業代の時効は3年(2020年4月1日以前に発生した残業代については2年)です。
残業代を請求するのは、労働者の当然の権利です。

 

残業代請求は、残業代の計算が複雑で一般の方が正確に計算するのは難しいものです。
また、個人が会社に請求しても取り合ってもらえないことが多いのも事実です。

残業代請求は、専門の弁護士に相談することをおすすめいたします。

請求可能期間は、賃金支払日を基準とします。詳しくはお問い合わせください。

 

残業代を請求するには?

1. 時効を中断する

未払残業代請求権は2年の時効で消滅するので,まずは時効を中断する必要があります。

 

2. 証拠を集める

裁判では,労働者がどれだけの時間,残業したかについては,労働者が証明しなければなりません。そこで,労働者は,自分の労働時間を証明するための証拠を集める必要があります。会社に開示を要請すれば任意で開示してくれる場合もありますが,会社が証拠を隠してしまうおそれがあるときは,裁判手続を利用して証拠を保全することを考えます。

例) タイムカード,労働時間管理ソフト,入退館記録,パソコンのログイン・ログアウト時間,電子メールの送信時刻,タコグラフ,業務日報,労働者のメモ

 

3. 残業代を計算する

集めた証拠をもとに残業代を計算します。残業代の計算は,以下の計算式で行います。残業代の計算は複雑ですので,弁護士などの専門家に依頼することをお勧めします。

⑴ 法外残業・法定休日労働

月の基礎賃金÷月間所定労働時間×(1+割増率(0.25又は0.35))× 法外残業時間又は法定休日労働時間

 

⑵ 深夜労働

①法外残業が深夜に及んだ場合
月の基礎賃金÷月間所定労働時間×(1+割増率(0.5))×法外残業かつ深夜労働時間

②深夜労働が所定労働時間の場合
月の基礎賃金÷月間所定労時間×割増率(0.25)×深夜労働時間

 

4. 残業代を請求する

計算した残業代を請求する旨の請求書を配達証明付内容証明郵便で会社に郵送し,会社と交渉します。

交渉の結果,会社が任意で残業代を支払わない場合や,残業代の金額で折り合いがつかない場合には,会社を相手に裁判を提起して,残業代の請求をします。

 

裁判と交渉の比較

 

交渉

裁判

メリット

紛争が早く解決する(残業代を早期に回収できる)

回収できる残業代が多くなる可能性がある

デメリット

回収できる残業代が少なくなる可能性がある

事件解決までに時間がかかる

どのような人に向いているか

回収できる残業代が少なくなっても早く事件を解決したい人

時間がかかってもより多くの残業代を回収したい人

 

 

そもそも労働時間とは?

労働時間とは,使用者の指揮命令下におかれている時間をいいます。当該時間に労働者が労働から離れることが保障されて初めて,労働者が使用者の指揮命令下に置かれていないことになります。使用者の指揮命令から現実に解放されていなければ労働時間になるのです。

例として手待時間・仮眠時間,持帰り残業も労働時間にあたります。

 

労働基準法による労働時間の規制

残業の種類

労働基準法では、残業は以下の3種類に分けられています。

 

法外残業

労働基準法には,労働時間は原則として1日8時間,1週40時間を超えてはならないことが規定されています(法定労働時間といいます)。

この1日8時間,週40時間を超えて働いた場合,使用者には時間外割増賃金の支払義務が生じます。法外残業の割増率は25%になります。

 

法定休日労働

労働基準法には,原則として,週1回以上休日を与えなければならないと規定されています。

この週1回の休日を法定休日といい,この日に働いた場合は休日割増賃金が発生します。法定休日労働の割増率は35%になります。

 

深夜労働

午後10時から午前5時までの時間帯における労働を深夜労働といいます。深夜労働の割増率は25%になります。

 

【事例】残業時間確定のポイント

実際に残業時間をどのように確定していくのか検討してみます。

午前9時始業,午後5時終業,お昼休みの休憩1時間,
所定労働時間が7時間の会社
をモデルケースとします。

まず,午前9時始業,午後7時終業,午後零時から午後1時までお昼休憩の場合,休憩1時間を除く9時間が労働時間になります。
午後5時から午後6時までの時間は,法内残業になりますが,残業代は発生しません。
午後6時から午後7時までの時間は,法外残業となり,25%の割増率で残業代を請求できます。

 

次に,午前9時始業,午後11時終業,午後零時から午後1時までお昼休憩の場合,休憩1時間を除く13時間が労働時間になります。

午後5時から午後6時までの時間は,法内残業になりますが,残業代は発生しません。
午後6時から午後11時までの時間は,法外残業となり,午後6時から午後10時までの時間は,25%の割増率で残業代を請求でき,午後10時から午後11時までの時間は,深夜かつ法外残業となり,50%の割増率で残業代を請求できます。

 

《残業代請求訴訟の主な論点》

残業代が一定額に固定されている場合

固定残業代

固定残業代とは?

残業が恒常的に行われているような職場では,会社が労働基準法の計算方法によらずに,時間外手当(残業代)を定額で支給する場合があります。これを固定残業代といいます。

固定残業代の種類

固定残業代には,大きく分けて,( 1 ) 「手当型」と、( 2 )「組込型」 の2種類があります。「手当型」は営業手当,役職手当,技術手当等の名目の手当が残業代の代わりに支払われ,「組込型」は 基本給に残業代が組み込まれて支払われます。

 

役職がつくことで残業代が支払われない場合

管理監督者

管理監督者とは?

肩書が課長,支店長,エリアマネージャー等になった場合,会社から,管理職だから残業代はでないと言われることがあります。

どのような場合に管理監督者に該当するのかについて,3つの要件から判断されます。

  • 事業主の経営に関する決定に参画し,労務管理に関する指揮監督権限を認められている※肩書等の役職の名称は重視されず,実際の職務内容や権限で判断されます
  • 自己の出退勤をはじめとする労働時間について裁量権を有している
  • 一般の従業員に比べてその地位と権限にふさわしい賃金上の処遇が与えられていると

 

工場、医療機関、介護などシフトで働く労働者の残業時間

変形労働時間制

変形労働時間制とは?

変形労働時間制とは,一定の期間(1カ月以内,1年以内または1週間。変形期間といいます)につき,1週間当たりの平均所定労働時間が法定労働時間を超えない範囲内で,1週または1日の法定労働時間を超えて労働させることができる制度です。

 

外勤の営業マン等に実際の労働時間で計算される残業代よりも少ない金額が支払われている

事業場外みなし労働時間制

事業場外みなし労働時間制とは?

営業マンなどの外勤勤務においては,その労務は事業場から離れたところで遂行されるので,使用者が労働時間を把握することが物理的に困難です。そこで,実労働時間による労働時間算定の例外として認められているのが,事業場外みなし労働時間制です。

 

◎適用が認められる場合

労働基準法第38条の2第1項によると,事業場外みなし労働時間制が適用される要件として,「労働時間を算定し難いとき」があげられます。

どのような場合に「労働時間を算定し難いとき」と認められるかについて,旧労働省は昭和63年に通達を出しています。
その通達によれば,事業場外みなし労働時間制の対象となるのは,使用者の具体的な指揮監督が及ばず労働時間を算定することが困難な業務であることとされています。

 

システムエンジニアやデザイナー等業務の裁量が広い職種に、
実際の労働時間で計算される残業代よりも少ない残業代が支払われている場合

専門業務型裁量労働制

専門業務型裁量労働制とは?

労働時間の算定にあたって,裁量性の高い労働に従事している者については,実労働時間ではなく予め定められた一定時間(みなし時間)働いたものとみなす制度です。専門業務型裁量労働制が適用された場合,みなし時間が8時間の場合,実際には10時間働いたとしても,8時間だけ働いたものとみなされ,残業代支払の対象となりません。

対象業務

専門業務型裁量労働制の対象業務は,次のとおりです。

対象業務

① 研究開発

②システムエンジニア

③ 記者・編集者

④ デザイナー

⑤ プロデューサー・ディレクター

⑥ コピーライター

⑦ システムコンサルタント

⑧ インテリアコーディネーター

⑨ ゲームソフトの開発

⑩ 証券アナリスト

⑪ 金融商品開発

⑫ 公認会計士

⑬ 弁護士

⑭ 建築士

⑮ 不動産鑑定士

⑯ 弁理士

⑰ 税理士

⑱ 中小企業診断士

⑲ 大学教授

 

 

労使協定の締結

労使協定とは労働者と使用者との間で締結される,書面による協定のことです。
専門業務型裁量労働制が適用されるには,次の事項について労使協定を締結することが必要になります。

定めるべき事項

① 対象業務

② みなし労働時間

③ 対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し,当該労働者に対し使用者が具体的な指示をしないこと

④ 健康福祉確保措置

⑤ 苦情処理措置

⑥ 有効期間

⑦ 記録の保存

労使協定を締結する際に労働者の過半数代表を選ぶ手続が実施されていなかったり,労使協定の有効期間がきれている等の場合もありますので,労働者は,労使協定の締結内容と手続について検討する必要があります。

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